まぼろしパンティ・海賊版・「我が愛しきパンティよの巻」後編/中円寺・著
「さあここだ」
警部は自ら鍵を開け、機材を視聴覚室内に運び込んだ。まぼろしパンティも警戒しながら室内に入る。
視聴覚室の内部は防音壁に覆われ声の反響具合すら異なっている。ある種の異空間のように感じられまぼろしパンティは多少の戸惑いを覚えた。
奥の壁際で警部は早速仕掛け机を組み立て始めていた。慣れた手つきであっという間に組み立て上げてしまうと警部はまぼろしパンティを促した。
「ようし準備は万端。まぼろしパンティ君、よろしく頼む」
「え、ええ」
尚、乗り気のしないまぼろしパンティを半ば強引に警部が囮装置に押し込もうとする。
「この机に両手を出す穴が開いている。そこから手を出した所に催涙スプレーの噴射装置のボタンがある。
ルパンティの奴を油断させる為にそのボタンを押すまでは手が動かないように固定される仕掛けだが、ボタンを押すと同時に固定は外れるようになっておる」
そう言って警部は逆さ金魚鉢状の物体の横に開口している手拳大の穴とその横に取り付けられたシンプルなボタンを指し示した。
「押してしまうとガスが噴射してしまうので実演は控えさせてもらうが、これでもインターポールの技術を集めた代物だ、信用してもらっていい」
警部はまぼろしパンティと視線を合わせ、頼んだぞというかの如く力強く頷いた。
ここまで来てしまうとまぼろしパンティとしても断りきれず、藤警部からの紹介ということもあり張形警部を信用することにして、自ら囮になることを決心した。
まぼろしパンティは机の下に潜り込み、透明な半球から頭を出し、その横に開口している2つの穴から手を出した。
それぞれの穴の内側にはゴムのような素材の縁取りがしてあり、まぼろしパンティが頭と両手をしっかり入れるとそのゴムのような素材が締まり始め、
まぼろしパンティはルパンティ三世を捕まえる為の罠にしっかりと固定されてしまった。固定は思っていた以上に強固で、手も頭も全く動かせない状態だった。
かろうじて右手の指先が催涙ガス噴射装置のボタンを押すことが出来たが、それ以外は身動きがとれず、
華奢なスチールデスクのような外観とは異なりしっかりした作りであることが自らの体を通して感じることが出来た。
言い知れぬ不安がまぼろしパンティを包んだ。
張形警部は、満足そうな笑みを浮かべると、机の前面と側面にカーテンのような布地を垂らした。
そうすると、まぼろしパンティの頭部だけが浮き上がり、芸術的なオブジェのようにも見えたし、見方によっては生首のようにも見えた。
「バッチリだ。これならルパンティの奴め手に入れたくてしょうがなくなるに違いない。
ではまぼろしパンティ、儂は操作室の方で待機していますからな、いざというときはすぐに駆けつけます。
なあに、まぼろしパンティだけでも捕まえられるでしょう。あいつは結構抜けてますし、なんと言っても美女に弱い」
警部は余裕を見せて笑うと、室内の照明がまぼろしパンティにだけ当たるように調節し、言葉通りに姿を消した。
殺風景な視聴覚室内で、まぼろしパンティの頭部がまるで美術品の様に展示されている様子は、幻想的であった。まぼろしパンティは目を閉じ、微動だにしない。
まるで眠っているようだが、聴覚や皮膚感覚を研ぎすませ、賊の出現にしっかりと備えていた。
どれくらいの時間が経過しただろうか、さすがのまぼろしパンティも緊張のせいもあり時間感覚が曖昧になっていて、長い時間が経過してようにも、
殆ど時間が経ってないようにも感じられた。ひょっとすると今晩は現れないのではないだろうか、そんな考えが頭をよぎる。
その瞬間。
人影がまぼろしパンティの眼前に音も無く現れた。
まぼろしパンティは身体を硬くし催涙ガス噴射装置のスイッチを握る手にも力が入った。人影の全貌が闇の中から浮かびあがり次第にはっきりとし始める。
闇から現れたのは、もみあげが印象的な痩身の男だった。ルパンティ三世に間違いとまぼろしパンティは確信する。
「ルパンティ三世ね」
まぼろしパンティが男に確かめる。その声は透明球内で反響しくぐもった声となり、まぼろしパンティ自身の耳を刺激した。
「その通り、俺の名前はルパンティ三世」
ふざけているとしか思えない節回しで男は自分がルパンティ三世であることを認めた。その顔はにやけた笑顔が浮かび、余裕に満ちていた。
「いやあ、いいねえ。わざわざこんなセッティングまでしてくれて、盗み甲斐があるってもんじゃないの」
そう言うと、まぼろしパンティの頭部が載っている机に向かって無造作に歩み寄ってくる。
「盗めるものなら盗んで御覧なさい、でも今日が貴方の泥棒生活最後の日になるのよ」
まぼろしパンティは不自由な姿勢のまま、ルパンティ三世を挑発した。ルパンティ三世は、まぼろしパンティの顔を覗き込むように球体に顔を近づけた。
まぼろしパンティは今がチャンスと、催涙ガス発射装置のボタンを押した。
「?」
だが押した手ごたえとは裏腹にどこからも催涙ガスは噴出されなかった。慌てて何度も何度もボタンを押すまぼろしパンティ。
それでも何も起こらず、ルパンティ三世は面白そうにまぼろしパンティの様子を眺めていた。手枷も締まったままな為、まぼろしパンティはどうしようもなかった。
あれほど自信満々だったのに故障していたのだとまぼろしパンティは張形警部を怒鳴りつけたかった。慌てて声をあげ警部を呼ぼうとするまぼろしパンティ。
「警部、張形警部、ルパンティが、ルパンティ三世が現れました」
そう声を上げてみても、張形警部が姿を見せる様子がなかった。
「おやまあ、張形のとっつぁんが来てんのか。一つ挨拶しとかなきゃな」
ルパンティ三世は驚く様子も見せず、張形警部が待機してる筈の場所の見当をつけるとそちらに向かって行った。
「とっつぁん、俺だよ。ルパンティ三世様が表敬訪問に来てやったぜ」
そう言いながらルパンティ三世は操作室の中に姿を消した。張形警部は居眠りでもしてしまっているのだろうか、そんな不安に襲われながらまぼろしパンティは拘束状
態のまま待っていた。かなり長い静寂の時が過ぎた後、操作室の扉が開いた。中から出てきたのは張形警部だった。
「は、張形警部、何をしてたんですか、今、ルパンティの奴が、その中に…」
まぼろしパンティが驚き慌てた声をだすが、警部は落ち着いた様子で歩み寄ってくる。
「どうしたんです、まぼろしパンティ。そんなに慌てて」
「ですから、ルパンティ三世が今その操作室の中に入っていったんです」
「ルパンティ?」
警部は不思議そうな顔をして小首を傾げた。
「ひょっとして、そいつの顔は…」
警部はまぼろしパンティの顔を見据えながら顎に手を掛けた。
「こんな顔じゃなかったかい」
そう言いながら顔面をグニョリと剥がした。剥がされた張形警部の顔の下から出てきたのは、ルパンティ三世の顔だった。
帽子を脱ぎ、コートを脱ぐと、先程と全く変わらぬルパンティ三世の姿が現れた。
「ル、ルパンティ三世…」
驚きのあまり凍りついてしまうまぼろしパンティ。
「その通り。先程も紹介させていただいたが、俺の名前はルパンティ三世」
相変わらずのふざけた口調でルパンティが自己紹介を繰り返した。
「い、いつからなの」
まぼろしパンティが動揺しながら尋ねる。
「俺が張形のとっつぁんに化けてたのかい。そんなの、最初からに決ってるだろう、パンティちゃん」
ルパンティ三世がさも愉快だと言わんばかりに告げた。
「さ、最初から…」
「そういうこと。謎は全て解けたかい、探偵さん」
「じゃ、じゃあこの装置も」
「当然、パンティちゃんを拘束する為の罠さ」
「罠」
「そう、これは俺の為じゃなくて、君の為の罠だったって訳。というより今回の事件そのものがかな」
「そ、そんな…」
まぼろしパンティは敗北感に叩きのめされ自分の愚かさを悔やんだが、すぐにあることに気付いた。
「で、でもこの装置の中にいる限り、貴方に私のマスクは盗めない筈よ。さっきしっかり確認したわ。
しっかり固定されてるから外れないし、外す為のスイッチもどこにも無いんですもの」
「ほほう、いいところに気付いたな。確かにその中にいる限り俺が君のマスクを奪うことは難しい」
ルパンティ三世は芝居めいた抑揚のついた口調で語る。
「だが、俺が欲しいのが君のマスクだなんて誰が言った」
「え、だって…」
「俺が求めて止まないのは、女の子が穿いているパンティ。様々な分泌物が染み込んだ脱ぎたてのパンティさ。
悪いけどあんたのマスクのパンティは俺の守備範囲じゃない。パンティちゃんの正体は多少気になるけどな」
ルパンティ三世はまぼろしパンティの周囲を回りながら解説を始めた。
「恐らく、狙いはマスクなんじゃないかと皆考えるだろうと見越して今回の計画を立てさせてもらった訳よ。
ついでにそう云ったデマも流させてもらったしな。おかげでまんまと成功、イシシシシシ」
ルパンティはだらしなく顔を崩して笑うとまぼろしパンティが拘束されている机に手を掛けた。
そしてそのまま机を一気に倒した。まぼろしパンティは机ごと前のめりになる形で床に倒れてしまった。
「きゃあ」
思わず悲鳴を上げるまぼろしパンティ。ルパンティ三世はすかさず机の脚に取り付きなにやら操作を加えているようだった。
「卑怯者、正々堂々勝負なさい」
無理のある姿勢ながら、まぼろしパンティはルパンティ三世を非難した。その間にもルパンティ三世は着々と作業を進めている。
まぼろしパンティの両足首が掴まれ、机の脚に固定されてしまった。
「あっ」
更に身動きが取れなくなってしまった事に慌てるまぼろしパンティ。
机は最初からこの状態を作り上げるために製作された物だった。机の脚は伸ばされ、折れ曲がり、まぼろしパンティの身体を動かないよう固定していた。
まぼろしパンティは足を伸ばした状態で上半身を倒し腰を思い切り上げたような姿勢を取らされることになってしまっていた。当然、手と首は固定されたままである。
「うぅ〜ん、いい格好だねぇ、まぼろしパンティちゃん」
「は、離しなさい。何をする気なの」
叫ぶまぼろしパンティ。律儀に答えるルパンティ三世。
「人の話を聞いてなかったのかい。俺が欲しい物は一つだけ。使用済みパンティ、これだけさ。そして今この部屋にある使用済みパンティと言えば」
下半身に視線を感じ必死で隠そうとするまぼろしパンティ。
「御明察。今回はいつもよりもしっかり準備してるからな、さっと来てぱっと盗んで帰るだけじゃなく、じっくり俺好みのパンティに育ててから頂戴しようと思ってるって訳
よ」
「そ、育てるって…」
「想像つかないかなぁ。俺が望むのは様々な分泌物がたっぷり染み込んだ強烈なパンティ。だがしかしそんなパンティになんて滅多にお目にかかれない。
よっぽどの変態でもない限りそんなパンティを穿きっぱなしではいないだろう?
だから今回俺は人生最高のパンティを盗む為に自ら理想のパンティを産み出させてもらおうとしてるのよ」
「………」
「つまり、まあパンティちゃんのパンティを恥ずかしい汁で汚させてもらうよってこと」
「な、ば、馬鹿じゃないの」
「そう馬鹿で結構。俺様は世界一のパンティ馬鹿さ」
そう宣言しルパンティ三世は動けないまぼろしパンティの下半身に正対した。
「や、やめなさい」
「欲しいものはどんなことをしても手に入れる、それが俺の流儀なもんでね」
ルパンティ三世の手がまぼろしパンティの下半身に触れた。
「あ、あぁ」
まぼろしパンティの拘束された身体がビクリと跳ねた。ルパンティ三世の手はぴっちりと肉の張り詰めた臀部を撫でさすり、標的であるパンティへとじわりじわりと接近していく。
並の男であればその臀部の感触のみで我を忘れ興奮しすぎて自滅するところであったが、さすがはルパンティ三世、極上の柔らかさを充分に堪能しつつ、揉み込む指先で逆にまぼろしパンティの快感を産み出すポイントを刺激していた。
「はぅぁ」
双臀を揉み上げられる刺激に図らずも溜息を漏らしてしまうまぼろしパンティ。
必死に耐えようとしても、されるがままの状態では避けようがなく、その状態にいること事態がまぼろしパンティの心の奥を刺激してしまっていた。
たっぷりとまぼろしパンティのヒップを責め立てた後、ルパンティ三世はパンティの中心を一直線に縦になぞった。
「ひいぃ」
堪らず叫び声をあげるまぼろしパンティ。
「おや、なんだか湿っぽいんじゃないかい」
からかうようにルパンティ三世が指摘した。
「う、嘘よ」
首から上を振り必死で否定するまぼろしパンティ。
「なあに、嘘でもホントでもどっちでも良いって。結果的に手に入るパンティが俺好みであれば。イッシッシ」
ルパンティ三世はそう云って、更に繰り返しまぼろしパンティの秘部を縦になぞった。
「あひぃぃ」
まぼろしパンティの悲鳴もルパンティ三世の指の動きに連れて大きさを増していった。
「いい感じに汁気が出てきたぜ。でもまだまだ刺激が足りないな。俺が求める究極のパンティはこんなもんじゃない」
ルパンティ三世は常人には理解の及ばない価値観に従って、まぼろしパンティのパンティを更に汚す必要があるという使命感に駆られているようだった。
ルパンティ三世の指先はまぼろしパンティの秘裂をなぞり上がり、その上に開口している筈の菊穴を探り始めた。
パンティの薄い布地を通して秘めやかな部分の体温が伝わってくる。
秘裂からわずかに上に上がったところで、ルパンティ三世の指先はまぼろしパンティの秘門をパンティ越しに探り当てた。
「あっ」
次なる標的を指先で直接指し示され、まぼろしパンティは狼狽した。そんなところを触れる、触れられるといった経験が皆無だったからである。
「ここの汚れもいい感じのアクセントになるんだな、これが」
ルパンティ三世はそう一人ごちながら丹念に指先でパンティを菊門に押し付けていく。
「ああぁ、いやあ。変なことしないで」
「何が変なことだい。素晴らしい芸術品が産み出されている瞬間に立ち合っているんだぜ。喜びなって」
ルパンティ三世はそう云うと、パンティの上から指先を菊門へと突き込んでいった。
「ああぁ、きひいぃ」
「お、前の方もしっとりしてきたじゃない」
ルパンティ三世は片手でアヌスを責めながら、もう一方の手は絶え間なくまぼろしパンティの秘裂を刺激し続けていた。
その指先が先程以上に分泌液による湿潤感を捉えていた。
「ひいぃ、いやあ」
まぼろしパンティの恥ずかしげな声が薄暗い視聴覚室に響く。
ルパンティ三世は飽きることなく、パンティ越しに小陰唇の割れ目を指でなぞり、アナルに指先を差し込んだ。
どらも浅瀬で行きつ戻りつを繰り返すだけであったが、強い刺激で強引に責めるよりも多量の分泌液を産み出させているようであった。
まぼろしパンティにも穿いているパンティが信じられない量の恥ずかしい分泌液で汚れてしまっていることが感じられた。
その事実がより一層まぼろしパンティの羞恥心を煽り、精神と肉体のバランスを崩させ、コントロールを失わせていた。
「もっと気持ちよくなってもらいたいとこだが、手が足りねえ。だが心配御無用。俺の頼りになる相棒達がずっと待機してくれてるぜ」
ルパンティ三世は指をパチンと鳴らした。
その直後、室内に二つの影が音も無く現れた。ずっと室内にいてまぼろしパンティの痴態を眺めていたらしかった。
片方はダークなスーツに身を包み帽子を目深に被った顎鬚を生やした男。
もう一方は鼠色の袴姿の長髪の男だった。
ルパンティ三世の仲間に関しても世間に充分情報が流れていた。帽子の男は射撃の名手で名を次π犬介といい、和装の男は居合の達人で名を右川豪衛門といった。
「次πに豪衛門、待たせたな出番だぜ」
「自分独りで楽しみすぎだぜルパンティ」
「長い」
ルパンティ三世の声に、二人の男達は文句を云いながらも表情を崩して応えた。
「そう云うなって、今までで最高の獲物かも知れないぜこのお嬢ちゃんは。お前らも上半身の方よろしく頼むぜ」
「おう、こっちは準備万端だ」
「任された」
二人の男は素早くまぼろしパンティの上半身に回り込み固定された身体に手を伸ばす。
滑らかな肌の感触をしばらく堪能した後、四本の手は息を合わせたようにまぼろしパンティのバストに狙いを定めた。
「あぁ、いやあ」
新たな刺激にまぼろしパンティは更なる快楽に耐えねばならなくなってしまう。それでも耐え切れず喘ぎ声が漏れてしまうのだった。
「ほう、確かに凄いな、この胸だけでもトップクラスだ。大きさといい感触といい文句のつけようがねえ」
髭の男が云い、和服の男も同意するように頷いた。男達はそろって半球形のまま垂れ下がった双乳を揉み込み、その先端で徐々に硬さを増し始めている乳頭をもてあそんだ。
「いやあぁん」
まぼろしパンティの声がますます追い詰められたものになっていく。下半身の方では相変わらずルパンティ三世がパンティの上から股間を刺激していた。
「いいぞ二人共。パンティちゃんのパンティが良い感じになってきたぜ。だが、もっともっとパンティを汚してもらわねえとなあ」
そう言ってルパンティ三世は一旦両手をまぼろしパンティの股間から離した。
引いた位置から分泌物を多量に吸収した魅惑の獲物を充分に鑑賞した後、ルパンティ三世は再び股間に手を伸ばした。人指し指を濡れたパンティの上でそっと滑らせ始める。
その指先はまるで何かを探しているかのようだった。
まぼろしパンティの反応が一番過敏になる所や、指先が深く迄入っていくポイント等を確認した後、ルパンティ三世の指先がある一点で止まった。
「ここだな」
ルパンティ三世はそう言い、指先を微妙に動かしながら、まぼろしパンティの顔色を窺った。
「あひ、そ、そこは…」
「フフ、ここがどうかしたのかい」
「そ、そこは駄目よ…」
「駄目ってのはどういうとだい、事と次第によっては止めてもいいぜ」
「そ、それは…あの…で、出ちゃうの…」
まぼろしパンティは苦悶の表情で恥ずかしそうに答えた。しかしルパンティ三世は納得しない。
「出ちゃう?何がでちゃうんだい」
「あぁぁ…そ、それは…」
そう云ってる間にもルパンティ三世の指先は問題の部分を巧みに刺激しておりまぼろしパンティの我慢も限界に近づいていた。
「何だい」
どうしても云わせようとするルパンティ三世。
「…お、おしっこ……です」
小さな声でやっとまぼろしパンティは口にした。しかしルパンティ三世は全く取り合わなかった。
「なんだ、それならいいんだ。じゃんじゃん垂れ流してくれ」
「そ、そんな」
我慢も限界に達し蒼白な顔色でまぼろしパンティは懇願の声をあげる。
「もっともっとパンティを汚して欲しくてやってるんだ。やっちゃってくれた方が有り難いってもんさ、ほれほれ」
とどめとばかりにルパンティ三世の指先がまぼろしパンティの尿道口を刺激した。
遂にまぼろしパンティの尿道括約筋が限界を告げてしまった。
チョロリと僅かにパンティに沁みが広がった。
「ああぁ、いやあ」
まぼろしパンティの口から悲痛な叫びが洩れる。しかし一旦決壊してしまった堤防の勢いはそう簡単には止められなかった。
下半身に入れていた力も限界を超えており、一瞬の脱力が産んだ快美感がジワジワとまぼろしパンティの下半身を包み込んでいく。
「あ、ああぁ…」
見られていることに対する羞恥心とはしたない行為をしてしまう羞恥心が混ざり合ったような声を上げ、まぼろしパンティは瞳を濡らした。
そして、下半身ではパンティを染めている今までの湿り気を侵食していくかのように新たな水分がパンティを濡らし、その範囲を拡大していった。
まぼろしパンティの恥ずかしい水分がパンティに吸収されきれなくなったところで、水分はパンティから溢れ、一摘また1滴と地面に向かって落下し始めた。
滴下はどんどんと勢いを増し、あっという間に一条の筋となり、まぼろしパンティの足元に水溜りをつくった。
「にゃはははは、やってくれたねパンティちゃん。これこそ俺が望んだ現象さ」
「ああぁ、見ないで、見ないでぇ」
まぼろしパンティは睫毛を伏せ涙声で訴えた。
「いやいや、これは我が獲物の中でも最高の使用済みパンティだ、君も自信を持っていいぜ」
ルパンティ三世は興奮した面持ちで慰めるように云う。
「確かに。こりゃあすげえモンをみせてもらったぜ」
「素晴らしい」
ルパンティ三世の仲間達も同様に興奮を隠せぬまま同意した。
「さて、ではこの世紀のお宝を頂いて退散させてもらうことにするか」
「俺はもうちょっとこのお嬢さんと愉しませてもらいたいがな」
「拙者も…」
ルパンティ三世とその仲間が助平な相談を交わしていた時だった、廊下から防音壁を通して騒がしい声が聞こえてきた。
「ルパンティ、ルパンティ、ルパンティ、ルパンティ〜」
そう叫ぶ濁声がかなりの勢いで近付いてくるのが視聴覚室内の全ての人間に分かった。
「張形のとっつぁんだ」
ルパンティ三世は一様に驚き顔を見合わせた。
「どうして此処が分かったんだ」
「さすがとっつあん、良い鼻してるぜ」
「感心してる場合ではない」
男達は事態の思わぬ展開に焦りながらも、表情には楽しそうな笑みが浮かんでいた。彼等にとってこういった状況は日常茶飯事なものなのかもしれなかった。
「ちっ、せっかくのお宝だ、無傷で手に入れたかったが…。仕方ない豪衛門頼む」
「仕方あるまい」
和装の男はそう云うと腰に差した刀を一瞬煌めかせた。
まぼろしパンティを拘束していた机が一瞬で細かく切り刻まれ、頭部を覆っていた透明な球体も綺麗に半分に割れてしまった。
そしてルパンティ三世の責めによりぐっしょりと濡れてしまったパンティも両サイドの部分を切断され地面にはらりと落下した。
驚いたことにまぼろしパンティの肌には切り傷などは一つもつけられていなかった。
まぼろしパンティは拘束が解かれ、息も絶え絶えな状態のまま四つん這いの姿勢で呼吸を整えていた。
「うーん、このジューシー感。不完全な状態にはなったが、このパンティが史上最高のお宝であることには変わりがないぜ」
ルパンティ三世はそう云いながら、濡れたパンティを拾い上げ、大切そうにジュラルミン製のケースに収納した。
「あぁ」
まぼろしパンティは下半身の異変にようやく気付き慌てて自分のパンティを回収しようとしたが、羞恥と快感の為に力が入りきらず、ルパンティ三世一味を見上げることしかできなかった。
「ルパンティ、此処にいるのはお見通しだ。諦めろ」
濁声は視聴覚室の扉のすぐ前まで辿り付いていた。ルパンティ三世はからかうように扉の向こうに声をかける。
「おうい、とっつあん。ちょっと遅かったみたいだぜ。俺達はこれから帰るとこだ。後はよろしく頼むぜ」
「待て、逃がさんぞ。くそう」
そんな声がして、扉に体当たりする音が響いた。
「そう簡単には開かないだろ。次π、豪衛門、行くぞ」
ルパンティ三世はそう云うと、唯一の窓から外へ飛び出した。仲間二人も軽やかに後に続く。
直後にドアを破って壮年男性が飛び込んできた。ルパンティ三世が扮していた張形警部にそっくりであった。というよりこちらが本物なのであろう。
警部は室内に入り込むとすぐさま状況を把握するとルパンティ三世一味が逃げ去った窓に取り付き、彼らの影を探した。しかし既に窓から見える視界には人影は無かった。
「くそう、またしても逃げられたか。ルパンティめ」
警部はそう言って悔しがり室内に目を戻し、倒れているまぼろしパンティに駆け寄った。
「大丈夫ですかまぼろしパンティ。話は藤警部から伺ってます。今回はまんまと奴にやられてしまい残念です」
「貴方が本物の張形警部」
まぼろしパンティの問いに、本物の警部は黙って肯いた。
「大切なパンティを盗まれただけでなく、もっと大切なものも盗まれてしまったようで……」
警部のその言葉にまぼろしパンティは訳がわからないといった表情になってしまった。
警部はまぼろしパンティの下半身を悲しげな表情を浮かべ眺めた。
まぼろしパンティの下肢はしっとりと濡れ室内灯の明かりをキラキラと反射していた。
その水分にはまぼろしパンティの小水が大半を占めていたが、見方によってはまぼろしパンティが愛液をたっぷりと分泌し潮吹きをした後の様にも見えた。
その光景を見ながら警部は言った。
「……貴方の心です」
「な、…何を言うんですか」
「いやいや何も仰いますな、深くは詮索致しません。奴はなうての女たらし、その手にかかればさすがのまぼろしパンティとて……」
「ち、違います、べ、別に何も…」
「どうします、被害届を出されますか。詳しく事情聴取させてもらいますが」
「え、あ、その、いえ、被害と言うほどの被害でもないですし…、私はこれで…」
まぼろしパンティは言葉を濁しながら、下半身を手で隠し逃げるように視聴覚室から走り去った。
走り去って行く揺れる美尻を眺めながら、張形警部は溜息をつき煙草に火を点けた。
-
<完>