まぼろしパンティ・海賊版・「ブサイク・エンジェルズ の巻」/中円寺・著 

初出:2005年1月27日
〜2月6日
『まぼろし掲示板』



N県にある進学校クライム学園。
アウシュビッツ・オペレーション後、まぼろしパンティが復活し数ヶ月が経つ。
以前よりも強さと美しさを増したまぼろしパンティの活躍で学園の平和は保たれていた。
しかし、この学園の持つ構造的欠陥なのか、まぼろしパンティがいくら事件を解決しようとも次から次と事件は発生してくるのだった。

そんな折、またしてもおぞましい事件が発生してしまった。
被害者は学年一とも噂される美少年だった。その彼が、校舎に半裸で吊るされていたのである。
半裸というのは本当に字面のままで、上半身はTシャツを身に纏っていたが、下半身は何一つ身につけていない丸出し状態であった。
第一発見者は部活の朝練で早くに登校してきた女子生徒だった。
その騒ぎぶりは尋常ではなく、すぐに同じ部活だけでなく、早朝練習をしに登校してきた様々な生徒が集まり騒々しい集団ができあがった。
被害者の男子生徒は、校舎の二階から両手を広げるような形で吊るされていた。
その他にも体を支えるために胴回りにも縄がかけられている。
ご丁寧な事に足首にも縄がかけられ大の字になるよう足が開かされていた。
そんな格好でそんな吊るされ方をされていたので、当然彼の股間に最も視線が集中する事となってしまっていた。
明らかにそれこそが犯人の狙いであったろう。



現場保存の意識があった訳ではないだろうが、見守る野次馬の誰もが彼を下ろしてやろうという動きはみられなかった。
女子にとっては異性の生殖器を観察できるまたとない機会であり、男子にとっては色男が恥をかく光景を楽しめる絶好の機会であったからだった。
外気に長い間晒され、大勢に見られている状況の所為だろうが、被害者の男性自身は普段の状態より萎縮しているようであり、亀頭も包皮を被っている状態だった。 「ねえ、あれって、アレだよね……」
「……初めてみちゃった」
「ああいうモンなんだ……」
「アレって大きくなるんでしょう」
そんな声が女子の間から聞こえてくる。一方、男子からは
「ちょっと小さくねえ」
「あいつのアレあんなもんかよ」
「あれ皮かむってるよなあ、なあ」
などとまあ被害者を貶めようという魂胆丸出しな会話が女子に聞こえるように交わされた。
 被害者のソレは見物男子達が言うほど貧相なものではなかったが、縮み上がりきってしまっており見栄えが良いと言われるようなものでは決してなかった。


 元学園警察署長の娘であり、人一倍正義感が強い事で知られている藤寿々美が登校して来た時、既に校舎の前に沢山の人だかりが出来上がっていた。
遠目から見ても何が起きているのかはすぐにわかる。教師達もやってきていたが、一緒に見上げているばかりだった。
「先生、なにやってるんですか、早く降ろしてあげないと」
寿々美は手近にいた体格の良い教師を叱咤し、自ら校舎内を駆け上がり彼の吊られている教室に走った。
 教師達や男子生徒の協力のもとなんとか無事に被害者男子を救出する事に成功し、被害者は下半身を教師の上着で隠しながら保健室に運ばれた。
 寿々美は彼から詳しい話を訊きたかったが、彼の落ち込み様もひどく、又大勢のギャラリーに囲まれていたこともあり、ほとんど何も情報を得られなかった。
聞こえてくるのは彼に対する噂話と事件への想像ばかりだった。


寿々美は親しい男子生徒である柳生つとむに相談し、被害男子の様子などをみてきてもらうことにした。
 元々つとむも正義感が強く悪を許せない質であるのでこの申し出に快く応じてくれた。以前被害者と同級になったことがあり、つとむ自身もかなり容姿に恵まれているので、彼が見舞いと称し保健室に出向くのはそれ程不自然ではないに違いない。
 昼休み、人目を忍んでつとむが寿々美にもたらした情報は残念ながらそれ程多くはなかった。
 被害者は羞恥心で満たされており他人と会話するような精神状態ではなかったという、その彼が犯行時の様子を僅かに漏らしたところでは、昨夜、寮の自室で休んでいたところ黒ずくめの男が突然侵入してきて縛り上げられたのだという、そして学校まで連れ出され薬のようなものを嗅がされ気を失ってしまい、気がついたらあの格好であそこに吊られていたのだとのことである。
 男は“ブサイク・エンジェルズ”と名乗り、美男子に天誅を下すなどと喚いていたらしい。詳しいことは被害男子が多くを語りたがらないので闇の中だった。
「単独犯なのかしら」
寿々美はつとむに尋ねてみた。
「彼は一人しか見てないんだって。でも彼をあそこに吊るそうとするなら一人では難しいと思うしなあ」
「以前にも似たような事件が起きたでしょ、あれは単独犯だったみたい」
「被害者が女子の事件だね」
「上手いことやれば今回のも一人で出来ない事もないわよね、彼痩せ型だし」
「まあね」
「あ、そう言えば、こないだアンケートがあったじゃない、貴方のまわりの格好良い異性をあげて下さいってやつ」
「ああ、あったね厚生委員主催のやつ」
「あれの影響ってことは?」
「でもまだあれ発表になってないよ」
「あ、そうか」
「でも多分彼が上位にいたとは思うけど」
「うーん」
そんな捜査会議のような会話が二人の間で交わされる昼下がりであった。


 つとむとの会話でヒントを得た寿々美は放課後生徒会室に誰もいない事を確認した後忍び込み厚生委員の行ったアンケートの結果を調べてみた。
ロッカーから正の字を書いた手書きの集計結果を見つけ出したところ、やはり今朝の被害男子がトップであった。
しかもなんと柳生つとむが僅差の二位につけているではないか。
犯人の狙いが美男子の地位低下にあり、アンケート結果を踏まえて標的を選んでいるとしたら、次に狙われるのはつとむという事になってしまう。
友人として、まぼろしパンティとしてそんな事は見過ごせるはずが無い。寿々美は早速今夜からつとむの周囲を警護しようと決めた。

 夜、男子寮の殆どの窓に明かりが灯っている。寿々美は柳生つとむの部屋の窓を注意深く監視していた。監視を開始してから三日が経っている。さすがに男子寮の中に忍び込む訳にもいかず、外の植え込みに隠れ窓を見続けているだけであったが。この三日でつとむとその周囲の生徒の大体の生活パターンは分かってきた。あとは犯人がどこで動いてくるか、それが問題であった。
 そんなことを考えているうちに、つとむの部屋に動きがあった。
それは微かな動きでしかなかったが、ずっと見張りつづけていた寿々美には明らかな異常として映った。
周囲の部屋の者達が気付いた様子はない。何が起きているのか気になるのに何も出来ない自分が歯痒い寿々美であった。
 ものの数分もしないうちに怪しい影が男子寮の玄関から出てきた。二人の人間がピタリと寄り添っているような不自然な影であった。
一瞬玄関の明かりに照らされた顏は恐れていた通り柳生つとむのものだった。もう一人の顔はつとむの陰になってしまっていて判らない。
犯人が前回の事件と同じ事をするつもりならば、つとむはこのまま校舎まで歩かされ下半身を剥かれて吊られることになるのだろう。
そうはさせるもんですか、と寿々美は先回りして校舎に駆けつけることとした。


 つとむは夜の闇の中を歩かされていた。首筋には鋭い刃物が押し付けられている。
いきなり部屋に押し込んできた男に背後を取られ刃物のようなものを当てて脅され成す術なく言いなりにならざるを得なかった。
「ここにな、頚動脈とか頚静脈とかが走ってんだよ。判るだろドックンドックンしてんのが。
ここを鋭い刃物で突いたらどうなるか、楽しいことが起こるだろうなあ。
ま、すぐに手で押さえりゃ死にゃしないけどな、俺がそうはさせないから、悪しからず、ヒェヒェヒェ」
そう言った時の犯人の声音。明らかに常軌を逸していた。話し合いの通じる相手ではないことがすぐに判る。
犯人の顏は突然の事で全然見ていない。自分よりも小柄で小太りな男という事ぐらいしか特徴としては挙げられそうになかった。
犯人の狙いはこのままつとむを学園まで連れて行き半裸の格好で晒し者にする事なのだろう。
今向かっている先にはクライム学園の校舎しか存在しない。まず間違いがなかった。
しかし脱出方法や解決手段などはまるで思い浮かばない。焦りと緊張で上手く頭が廻らないのだ。
目の前にはクライム学園の校舎が影となり浮かび上がっていた。
救いの手がどこかから差し伸べられる事をつとむは祈った。助けに来てくれるとすれば、まぼろしパンティ以外は考え難いのだが。


 抵抗らしい抵抗も出来ぬまま、つとむは学園内の敷地に足を踏み入れてしまった。無力感で俯き抵抗する気力すら失いかけていた。
だがその時だった。
「ぐわッ」
背後の男が悲鳴のような声をあげると、つとむの首筋から凶器の感触が消えた。
つとむは背後から押されて数歩男から離れる格好となる。慌てて振り向くと男が手を押さえてうずくまっていた。そしてその横に見覚えのある人影が立っていた。
 スラリと手足の長いプロポーション。
ロングブーツとロンググローブを身に付けているが、その他にはパンティとスカーフのみというセクシーなコスチュームに身を包んだ少女探偵。
その名もまぼろしパンティ。マスク代わりに被ったパンティから伸びる髪の毛が風に揺れていた。
「まぼろしパンティ!」
つとむは思わず大きな声で喜びを表現してしまった。
まぼろしパンティもつとむを見てうなずく。
そして暴漢に対し啖呵を切った。
「美少年の人気を妬み、恥をかかせようとするなど逆恨み以外の何物でもない。そもそもそんな事をしてもアンタがモテない事実は変えられない。
卑劣な犯罪者ブサイク・エンジェルズ、このまぼろしパンティが許しはしない。覚悟なさい」
その言葉にうずくまった男は不敵な笑い声を上げる。
「くっくっく、俺は色男が恥をかく姿が見たかっただけだ、俺より人気のある奴を全員晒し者にすれば俺がモテるようになるとは思ってやしねえ。
まあ、色男も一皮向けば中身はかわらねえってことは教えといてやりたかったのかもな」
そこで男は言葉を切りまぼろしパンティを見据えた。覆面などで隠さぬその顔は確かにブサイクだった。
一目見たら忘れないほど衝撃度のある顔で、まぼろしパンティも一瞬で男の名を思い出した。


「3年T組の油亀頭君、貴方がブサイク・エンジェルズだったのね」
ぼさぼさの頭髪、レンズの汚れた眼鏡、その奥の細い眼裂、三白眼、小太りで寸詰まりな体型、まるで似合っていないピチピチのレザースーツ。
思春期の女子に持てる要素は皆無といってよいだろう。努力でどうにかなるという次元の話でもない。
世間に恨みを抱いても仕方がないかと思わせてしまう容姿であった。
「俺の名前を知っててもらえて嬉しいよ。あまりにもブサイクだからな一度見たら忘れないだろ。うるせえよ、ほっとけ」
ブサイク・エンジェルズは自虐的に笑い、そして切れた。
その目に宿るのは憎しみや怒りの光、どす黒い光であった。
「貴方にも言いたい事は沢山あるみたいだけれど犯罪は犯罪、警察に行ってもらうわ」
哀れむような表情を浮かべ、まぼろしパンティは言う。
位置関係としてはブサイク・エンジェルズを頂点とした二等辺三角形の其々の頂点につとむとまぼろしパンティが立っている状態だった。
つとむを庇いながら、ジリジリと距離を詰めていくまぼろしパンティ。
「まあな、こんなに簡単に捕まっちまうんじゃ仕方ねえ。罪を償って誰もいない遠い所で一から出直すさ」
意外と諦めのよいブサイクに拍子抜けするまぼろしパンティ。しかし男の目は言葉とは逆に爛々と燃えていた。
「最後に一言良いかな」
ブサイク・エンジェルズが切り出す。
「なんで俺独りしかいないのにエンジェルズって複数形なんだ?って思わなかったか」
まぼろしパンティとつとむは顔を見合わせ、そういえばと思い当たる。


「それはな……」
そう言われて二人が視線をブサイク・エンジェルズに戻すと二人の首筋に違和感が襲った。
「独りじゃないからさ!」
そう叫びブサイク・エンジェルズは高笑いした。
「しまった」
まぼろしパンティが顔を動かそうとすると首に痛みが走った。何か鋭い刃物が当てられているようだった。
つとむに目を遣ると、つとむの背後にサングラスを掛けレザースーツに身を包んだ湯亀頭に似た小太りが居て、つとむの首筋に千枚通しのような物を当てている。
松田優作をチビにして、小太りにしたような感じだった。どこが松田優作じゃいと思わずにはいられないが、有名人に例えるとなるとチビでデブの松田優作というのが一番ピンと来る、そんな不細工男だった。
きっと自分自身にも同じような男が張り付いているのだろうとまぼろしパンティは唇を噛んだ。
「柳生君……」
まぼろしパンティはつとむの身を案じたが、つとむは気丈にも大丈夫だからといった視線を送り返した。
「ひゃはは、バーカ、バーカ、油断しやがって。何がまぼろしパンティだ。おっと動くんじゃねえぞ、動いたらブスっといくからな、ひぇひぇひぇ」
圧倒的優位に立ち、強気に出る湯亀頭。反対に手も足も出せなくなってしまったまぼろしパンティ。
自分ひとりなら背後の男を叩きのめすことは可能だったが、同時につとむも人質に取られていてはそれも不可能だった。

10
油亀頭が先導を務める形になり男達の密談がはじまった。
「どうする」
「そりゃあ決まってるだろう」
「だな、色男にはちょっとお休み頂こうか」
そう言って男達はまずつとむを拘束した。
両手を後ろ手に縛り上げられ、足首も合わされて細いワイヤーのような物で縛り上げられた。
足首を拘束されつとむはバランスがうまくとれず直立するのが精一杯だった。
 油亀頭以外の二人がまぼろしパンティの脇を固めている。首筋には変わらず刃物が突きつけられており身動きが取れない。
つとむが動きがとれないのを確認して主犯格の油亀頭もまぼろしパンティに近寄ってくる。
「こんなナイスバディなギャルをこんな間近で見れるなんてなあ」
「しかも裸だぜ」
「俺達ブサイクにとって信じられない状況だな」
「うひひひひ」
油亀頭がまぼろしパンティの傍により、パンティ越しにつんと上向きのヒップを撫でた。
「あっ」
「柔らかくてプリプリだぜい」
嬉しそうにはしゃぐ不細工。まぼろしパンティはキッと鋭い視線で睨みつけた。
「おう、なんだその目は。正義の味方ぶりやがって調子に乗ってんじゃねえぞ」
油亀頭は途端に凶悪な視線で睨み返す。
「そうだそうだ、どうせお前も素っ裸に剥かれて吊るされるんだからな」
「マスクも脱がせて素顔を拝ませてもらうぜ」
口々に喚く不細工共にたじろぐまぼろしパンティ。確かに今の状況は充分過ぎるほどのピンチだった。

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「ひひひひひ、やっぱり裸にするなら女の方が良いなあ」
油亀頭が調子に乗ったまま仲間に同意を求める。肯く残りの不細工達。油亀頭はそのままつとむの方に体を向けた。
「どうだ色男、お前もまぼろしパンティ見てチンチン固くしてんのかよ」
つとむは軽蔑したかのように首を振った。
「おいおい、格好つけてんじゃねえぞ。俺なんかもうカチンコチンよ」
そう言って男は自分の張り詰めた股間を誇示した。
「ほうれ」
そう言って自らのイチモツをキツキツの皮パンから取り出す。反り返り硬化したソレは、仮性包茎気味で汁気も多くグロテスクそのものだった。
他の二人のエンジェルズも同じように開陳する。どれも似たり寄ったりの大きくも無く太くも無くといった汚らしいだけの珍棒だった。
「ようし、そんなら確認させてもらうぜ」
油亀頭はそう喚きながらつとむに近づいていく。その目はつとむの股間を凝視していた。
 つとむに辿り着くと迷うことなくズボンを脱がせにかかる不細工デブ。あっという間にパンツまで下ろされ、つとむは下半身を曝け出してしまった。
 その股間は確かに膨張してるようには見えなかった。そしてそのペニスの端正な佇まいが油亀頭を更に怒らせるのだった。
力なく下を向いているが決して貧相ではなく、直径も膨れ上がった不細工のナニと同じくらいの太さがある。
皮はすっかり剥けており、逞しさすら漂っている。陰毛は頭髪に似て縮れの少ない茶褐色の繊細な毛で、陰茎の色自体は清潔そうなピンクにも似た赤褐色だった。
美しいとさえ言えるその男性自身は不細工な男達の怒りを増幅するのだった。

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「くそうチンコまで色男ぶりやがって、おめえだって普段はまぼろしパンティの裸でオナったりしてんだろうが」
まぼろしパンティの名が出て一瞬つとむの表情に変化がみられ、満更外れてもない様子が垣間見えた。そして自分の名前を出されたことでまぼろしパンティも動揺を隠せなかった。
「あ、貴方達、馬鹿なことを言うのはやめなさい。今ならまだ間に合うわ大人しく自首して」
「うるせえよ。ほら、意外と図星みたいだぜ。こいつ普段まぼろしパンティで抜いてやがんだ」
「ち、違う」
本人を前に、とてもそうだとは言えずつとむは必死で否定した。
「なに焦ってんだよ。顔が赤いぜ」
そう指摘され黙り込むつとむ。
「遠慮するこたあねえ、折角本人目の前にしてんだチンコをビンビンにすればいいんだよ。それとも刺激が足りねえか」
そう言うと油亀頭は再びまぼろしパンティの背後に回りこんだ。怯えるまぼろしパンティ、見詰めるつとむ。
 いきなり、まぼろしパンティの豊かな美乳が節くれだった手で鷲づかみされた。
「きゃああ、いやああ」
まぼろしパンティの悲鳴が闇に吸い込まれる。背後の油亀頭は満足して緩みきった表情だった。
「でかくて柔らけえよ、うほお、最高」
感嘆の声を上げながら更に揉みまくり、まぼろしパンティに甘い悲鳴を上げさせるのだった。
そしてそれだけでは飽きたらず、膨らみの先端に位置する可憐な乳頭を摘もうとする。
「あ、ああ、あぁん」
感覚が鋭敏な部位を荒々しく触られ、まぼろしパンティの口からは絶望に近い嬌声が漏れてしまう。
「ほれほれどうだ色男、こんなことする想像しながらコイてんじゃねえのか」
「や、やめろ」
苦しそうにつとむが叫ぶ。見ないように視線を背けているがどうしても見てしまう、そんな様子だった。

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「ほら我慢してんじゃねえよ。それともまだ刺激が足りねえか」
そう薄笑うと油亀頭は胸乳から手を離した。と思った途端にしゃがみこみ、まぼろしパンティの下半身からパンティを一気に引き下ろした。
「きゃああぁ」
まぼろしパンティの悲鳴に続いて男達からは
「うおおおぉ」
という興奮の声が上がった。
まぼろしパンティは必死に太腿も閉じ合わせようとしていたが、腿の付け根の辺りに漆黒の翳りがちらつくのまでは隠し切れない。
不細工達ははじめて見る女性の陰毛にはしゃぎまくるのだった。
「見ろぉ、マン毛だあ、マン毛だぞお」
「すげえ、すげえよ」
「うおお、信じられねえ」
まるで世紀の大発見をしたかのような興奮振りだったが、この不細工達にしてみればまさにそれに匹敵するような感動だったに違いない。
瞬きもせずに食い入るようにまぼろしパンティの股間を見つめていた。
「ああぁ」
耐え切れず喘ぐまぼろしパンティ。男達からの視線の圧力は想像を絶していた。
「見ろよ色男、まぼろしパンティのマン毛だぜ」
そう言って油亀頭はつとむを見る。見るとつとむは視線を逸らしていた。多少顔が上気しているが、ペニスの方は特に変化は見られていない。

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「この野郎すかしやがって、興味ねえ振りしてやがる。本当は見てえくせによう」
つとむの態度が男達を更に怒らせ、その反動がまぼろしパンティに降りかかる。
「うへへ、まぼろしパンティ。あの色男、刺激が足りないからチンコ硬くする気にもなれないんだってよ。ちょっと協力してもらうぜ、恨むならアイツを恨めよ、いひひひひ」
そう不気味に笑うと油亀頭はまぼろしパンティの腿の間に自分の膝を押し込み始めた。
「ああ、いやあ」
侵入されてくる感覚にまぼろしパンティが悲鳴をあげる。
だが抵抗しきれず不細工男の膝が美少女探偵の腿の間に完全に割って入った。
その隙を逃さず左右を固める不細工達がまぼろしパンティの涎が出るような美味しそうな太腿をそれぞれ抱え込んだ。
 ゲヘゲヘと気持ちの悪い声を上げながら左右の男達の腕に力が込められていく。必死の抵抗にもかかわらずまぼろしパンティの下肢は持ち上げられ左右に広げられていってしまうのだった。
「いやあぁ、駄目えぇ」
泣き叫ぶまぼろしパンティ。男達は先程以上の執着でその股間を凝視し続ける。
淡い繊毛が恥丘を柔らかく覆い、薄桃色の花弁がほんのりと口を開けるその光景は不細工男達を桃源郷へと誘うのだった。
「うほおお」「もげえぇ」「ぷぎぃいい」
もはや獣としか思えぬ興奮の雄叫びがまぼろしパンティの周囲で飛び交う。
 油亀頭は興奮状態で自分の股間をあやしながら、まぼろしパンティの股間の真下に仰向けになった。そのイチモツは先走り汁でぐっしょりとなり異様な光を放っている。
「おぎょおぉ、丸見ええぇ。最高、最高ううぅ」
「見ないで、見ないでぇぇ」
信じられない角度から秘所を覗き込まれまぼろしパンティは絶叫しイヤイヤと首を振った。

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「や、やめろ。やめるんだ」
まぼろしパンティの悲鳴に反応するように、つとむはブサイク・エンジェルズを制止しようと叫んだ。顔は背けたままで股間は殆んど反応していない。
しかし不細工達の余りの興奮振りにチラリチラリと視線がまぼろしパンティに向いてしまっていた。
その所為だろう、ほんの僅かではあったが彼の股間に充血の兆しが見られていた。
 つとむの声で油亀頭は手を止めた。仰向けの体勢からつとむを見上げる。
「どうした色男、まぼろしパンティがこんなにサービスしてくれてるのにまだチンポ勃たないのか?ちゃんと見ないとまぼろしパンティに失礼だぞ」
「やめろって言ってるんだ、この変態」
つとむは叫ぶが、不細工は全く聞き耳を持たない。
「何、もっと奥まで見せてくれなきゃ見る気もおこらないって?さすが、色男サンは贅沢だねえ」
湯亀頭は勝手に決め付けると体勢を変化させ始めた。
寝転がった状態から足を正座するかの如く折りたたむと、次に上半身を仰け反らせながら立ち上げていく。
そうしていくと遂には油亀頭の顔面がまぼろしパンティの股間の高さと同じになり、不細工の眼前にまぼろしパンティの秘密の部分が公開された状態になってしまったのだった。
「いやっ、いやあぁぁ」
あまりのおぞましさにまぼろしパンティは身も世も無く泣き続ける。
油亀頭はつとむにも見えるように顔を仰け反らせながら、ゆっくりまぼろしパンティの股間に手を伸ばした。
「ひいいぃぃ」
更なる悲鳴。
油亀頭の指がふっくらとした大陰唇をくつろげ、整った形の小陰唇がほんのり口を広げている様が露になる。
その上端にはピンク色の肉真珠が莢に包まれ佇んでいた。
「むほおおおぉぉ」「ほんげえええぇぇ」「わぎぃいいぃぃぃ」
ブサイク・エンジェルズの興奮は最高潮に達し、雄叫びは人とは思えぬものへと加速していっていた。
ギラついた眼はその一点から逸れる事無く集中し続けていた。

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「ふんぶうう、マ、マ○コ、マ○コぉぉぉ」
「ま、まん、まんん、丸見えぇ、丸見えだぁ」
「おふ、おふ、オ、オマ○コ、オマ○コォォォ」
エンジェルズの周囲のみ変態カーニバルの様相を呈し始めており、そのまままぼろしパンティを担いでお神輿にでもするのではないかというくらいの浮かれぶりだった。
 ブサイク・エンジェル逹の物凄い浮かれぶりと、「オマ○コ丸見え」の台詞にとうとうつとむはまぼろしパンティの方へ視線を向けてしまった。
 その目に飛び込んできたのは予想以上に過激な光景だった。両足を大きく広げられたまぼろしパンティ。その股間を隠すものは何もない。
そしてその聖域を油亀頭が間近で眺めながら更に奥まで広げているのだ。
 今まで耐えてきていたつとむにも限界が訪れようとしている。端正な陰茎に血が集まり始めてしまっていた。
 つとむの視線に気付いた油亀頭は、その股間の僅かな変化も見逃さなかった。
「お、遂に見たか。そしてチンコを膨らませてるな」
「ち、ちがう」
つとむの慌てぶりを面白がるように男達は囃す。
「隠すな隠すな、チンコは正直だぞ」
「よかったな、まぼろしパンティ。色男もアンタ見て興奮してくれてるぞ」
そう言われ羞恥に燃えるまぼろしパンティ。
「ああ、駄目、見ないで柳生君……」
「男子たるもの見ない訳にはいかないよなあ、色男」
「見ないほうが失礼にあたるぜ」
「それにしてもまだ刺激が足りないか」
大きくはなってきたが下を向いたままのつとむの下半身を不細工共は下品に笑った。

17
「ほうれ」
「きゃああぁぁぁ」
油亀頭が小陰唇を更に広げ、腟前庭を撫で始め、まぼろしパンティは堪らず叫び声をあげた。
「うへへ、マ○コ、マ○コ」
「なあクリトリスってどれだよ」
「これじゃねえの、この豆みたいの」
「そんな小っちぇえのかよ」
「でもなエロ本によればな……」
男共の女体検索は加速度をつけ進んでいく。油亀頭の指がまぼろしパンティの陰核に軽く触れた。
「ああぁぁん」
身体がビクリと震え、甘い悲鳴がまぼろしパンティの口から漏れる。調子に乗ったように更に油亀頭の指はクリトリスを責め続ける。
「あ、なんか膨らんできたぞ」
「だろ刺激されて気持ち良くなってくると大きくなるらしいぜ」
「チンコと一緒だな」
執拗な陰核責めにまぼろしパンティは堪らず声を上げる。
「ひいいいぃぃ」
「げへへ、まぼろしパンティがひいひい言ってるぜ」
「色男も大分キてるみたいだな」
三人の醜男の視線がつとむの陰茎にそそがれた。そのつとむの男自身はむくむくと充血してきており、どんどん上向きになってきていた。

18
「あ、ああ、違う、違うんだ」
つとむは動揺し必死に否定しようとしたが、それが空しい行為であることは誰の目にも明らかだった。
「チンポにウソはつけねえぞ色男」
「まぼろしパンティがこんだけサービスしてくれてんだからよ、勃たないほうがおかしいってんだ」
「もっと勃たせて汁を飛ばせよ。イヒヒヒヒ」
自分達の膨れきった愚息は棚に上げつとむをからかうエンジェル達。しかし逞しく硬化したつとむのナニを見てそれまで以上に敵愾心を燃やすのだった。
「ああ、柳生君……」
まぼろしパンティも燃え盛る羞恥心の中、目元を赤らめつとむの下半身に釘付けになっていた。
取り囲む不細工達とは明らかに次元の違うモノに目が離せなくなっているのだ。
それでなくても感覚が鋭敏になり昂ぶっているところに新たな興奮の種がまかれ、まぼろしパンティの秘所は淫らなまでに水気を増していた。
「ま、まぼろしパンティ、こ、これは違う、違うんです。ああぁ、見ないで、見ないで下さい」
つとむは顔を振って弁解しようとしたが、その眼も又まぼろしパンティの下半身にすいついて離れない。
いまやつとむのペニスは最高潮の怒張具合となっていた。
「だからビンビンにしてる奴が何言っても説得力ないっつうの」
「見ないでじゃねえよ、お前が見てるんじゃねえか」
「あ、あぁ、柳生君……」
まぼろしパンティはその後に続けて、見ないで、と小さな声で囁いたのだが、興奮状態の不細工逹には届かず、ましてやつとむの耳には届かなかった。
 正義の美少女探偵と学園でも指折りの美少年が、月光のもと醜男共に囲まれながら興奮状態にあるお互いの恥ずかしい場所を晒しあっている。
それはなんとも言え無い程美しく淫らな光景だった。

19
「ひひひ、色男、チンポでかくしてもらったところ悪いんだけど当分お前そのままな」
油亀頭はつとむに向かってさも楽しそうに宣言した。
「こっからは俺達のお楽しみタイムって訳だ」
「いよっ、待ってました」
脇を固めるエンジェル達から威勢の良い掛け声がかかる。
下半身を硬くしたつとむを蚊帳の外に置き男達は自らの欲望を満たすための活動を再開する。
「おい、お前等、アダルトビデオって見たことあるか」
その油亀頭の問いに残り二人は頭を振る。
「ねえよ」
「ここじゃ無理だ、見てえけど」
悔しそうな二人に勝ち誇ったように油亀頭が言う。
「俺は、ある」
「本当かよ」
「すげえ」
「夏休みで実家に帰ってる時にアニキの部屋に隠してあったのをな」
「うおお」
「どうなんだよ」
「まあ、そんなたいしたモノじゃねえ。肝心なとこにはボカシがはいるしな」
「男と女がその、ヤッてんだろ」
「ああ、そうだ。でもな、ただチンコを突っ込むだけじゃねえんだ、その前に準備が色々いるらしい」
「準備?」
なんだそりゃといった面持ちで残り二人は興味津々に尋ねる。
「さっき俺がやったみたいにオマ○コをイジってやってオツユを出してやるとかだな。そしてもう一つ大事なのが、チンコを女にしゃぶらせてヌラヌラにすることだ」
「しゃぶらせる?」
「なんの為に」
「後からアニキに訊いたとこではな、チンコもヌラヌラにしておくと入れる時の滑りが良くなってスムーズにいくらしいぜ、アレが」
「アレか」
「アレがな」
不細工達は下品にグヘグヘ笑いあった。

20
「という訳だ、まぼろしパンティ」
「な、何……」
陰部への責めが一時中断され安堵し放心状態だったまぼろしパンティは、突然話を振られ訳がわらず動揺した。
「何じゃねえよ、これからアンタのアソコを攻略する前に、しっかり俺達のチンポをしゃぶって潤滑油をまぶしといてもらおうかって話よ」
「しゃ、しゃぶる……」
「そんなビックリするこたあねえだろうが、おい」
そう言って油亀頭は脇の二人に命じてまぼろしパンティの下半身を下ろさせ、自分の股間の前に跪かさせた。
「い、いやぁ、いやよ」
抵抗するまぼろしパンティ。その眼前には醜く脹れた皮を半分被ったグロテスクなナニが勢い良く天を向いていた。
男の話からすると後には更なる陵辱が待っているのは確実で、下半身は開放されつとむに恥ずかしい姿を見せずに済むようにはなったが、状況は益々悪くなっているようだった。
「ほれほれ、抵抗してんじゃねえぞ」
「先にマスクから剥いでやろうか」
そう脅され、陰茎を口元にグリグリと押し当てられたまぼろしパンティは、成す術なくその高貴な口元をゆっくりと広げていくのだった。
そこへ割って入るように油亀頭の陰茎が進入していく。
「ムグウ、ウグググ」
初めて体験するおぞましい衝撃にまぼろしパンティはくぐもった悲鳴を上げるが、汚らしいモノに塞がれ殆んど悲鳴の体を為していない。
「うおおぉ、すげえ、温い、気持ち良いいぃ」
油亀頭は興奮のあまり絶叫する。
「そ、そうだ、うほおぉ、舌、舌とか使うんだ、むひょおぉ」
まぼろしパンティの頭部を掴み命令する油亀頭。その表情は既に興奮しすぎて制御不能な様を見せている。

21
まぼろしパンティは襲いくるアンモニア臭や吐気と闘いながら、命ぜられるままに、油亀頭の陰茎の胴部分を舌でゆっくり舐め上げた。
「うきいいぃぃ、なんじゃああぁ、あきょおぉぉ」
まぼろしパンティの口元が僅かに動いただけで、傍から見ている者には理解が及ばないほどの興奮を油亀頭はみせる。
呆然と見詰める残りのエンジェル逹。
 まぼろしパンティは本能的に、油亀頭の陰茎の先端を舐め上げ蕎麦をすするように、ペニスをすすり上げた。
「いぎゃはうぅぅ、はちょおおぉぉ、もげええぇぇ」
油亀頭が白眼を剥いて絶叫する。その下半身がガクンガクン揺れたかと思うと、腰を突き出すように何度も前後に振った。
 絶叫した瞬間、まぼろしパンティの口腔内に生暖かく生臭い粘液が大量に放出された。
全く予想できていなかった為むせ返るまぼろしパンティ。あまりに不快な臭気の為にその粘液の殆んどを吐き出してしまう。
「おげえ、うえ、ペッ、ぺッ、ペッ」
放出した本人はといえば、白眼を剥いたまま口元には満足そうな笑みを浮かべ大の字に倒れ意識を失っていた。
「お、おい、ゆ、油亀頭……」
残りの二人は意味が判らぬままリーダーに声をかけるが、油亀頭はピクリともしない。
ただその表情は至福に満ちていて、想像もつかないような快感が彼を貫いたことだけは体験してない者達にも判った。
「ど、どうする」
「そりゃあ、お前……」
「どうすんだよ」
「……確認してみるわ」
残された不細工のうち松田優作似の方が覚悟を決めたように言った。
「確認って……」
「油亀頭と同じ様にやってみんだよ」
「でもよ、お、おい」
優作似は意気込んで、まぼろしパンティの前に自分の醜いナニを突き出した。
油亀頭よりも一回り小振りなソレは似たように皮を被り汁気たっぷりに天を向いていた。
それを見ているもう一方の不細工は、羨ましがりつつも不安な表情を浮かべている。
動揺の所為か、まぼろしパンティに凶器を押し付け拘束するというようなことは最早していなかった。

22
まぼろしパンティは消耗し肩で息をしていたが、再び目の前に男性自身を突き出され、悔しげな眼で相手を見上げた。
「なんだよ、同じようにしゃぶるんだよ」
主導権を渡すまいと、優作似は必死に息巻いてまぼろしパンティに命令した。
下半身の痺れと口内陵辱の所為でまぼろしパンティには抵抗する気力が残っていなかった。
 再び可憐な唇が開いていく。そしてその隙間に無遠慮に汚らしいモノが押し込まれていった。
「あふううぅ、かはあぁぁ、ホントだああぁぁ」
途端に絶叫し始める優作似。その切迫具合は油亀頭よりも厳しそうだった。
「むひいいぃぃ、すげええぇぇ、しむうううぅぅ」
まぼろしパンティは命令されるのを待つことなく、進んで穢れたペニスに舌を這わせていった。併せて今回は手も使い始めてみる。
 まぼろしパンティの指先が陰茎の胴を擦り、玉袋を軽く撫でたところで優作似はあっさりと限界を迎えた。
全身を痙攣させ腰を振る。まぼろしパンティも先程ので学習している為、その発作から繰り出される毒汁の射出を今回はかわした。
白濁液は高い放物線を描いて何度も何度も虚しく放出された。
 おぞましい射精が終わったのを確認してまぼろしパンティは優作似のナニの先っぽを咥え舐め上げた。
先程、油亀頭にこうした時に一際高く叫び射精した経験を踏まえてのことだった。
予想通り優作似はその一撃を喰らい情けない悲鳴を上げ気を失った。
 仲間達の信じられないほどの果てっぷりを見せ付けられ、残されたブサイク・エンジェルは言葉を失い呆然とまぼろしパンティを見ていた。
まぼろしパンティの方はと言えば僅かではあるが余裕のようなものが生まれているようであり、体力も回復してきているように見受けられた。
その変化を残された不細工は気付く由もなかったが。
 彼にはもう冷静な判断力は残されていなかった。
仲間が次々と失神させられている恐怖感と、それを上回る程の快感への期待が彼の内側から静かに沸き上がってきており、
それは既に彼自身には止められないところまで来てしまっていた。
そして残されたエンジェルは輪をかけて矮小なモノを誇らしげに突き出したのだった。
その結果としてどんな事態が待ち受けているかといった考察はサッパリと彼の思考からは追い出されていた。

23
 まぼろしパンティは抵抗する様子も見せず、すすんでその汚らわしい陰茎を頬張った。
その行為が武器になることを身をもって知ってしまった今、それを使わない手はなかったからだ。
「ぬほほおおぉぉ、ひょえええええぇぇ、なむうぅぅぅ」
最後のエンジェルは、前の二人以上にあっさりと高みに達しつつあった。
彼の耐性の低さもあっただろうが、やはりまぼろしパンティの技術的飛飛躍が大きかったに違いない。
その舌は確実に彼のウィークポイントを衝き、指先が一撫でしただけで限界が訪れてしまったのだった。
「あふうううぅぅ、しょんなああああぁ、どしいひいぃぃぃ」
気持ち良さを満喫する暇も与えられずラスト・エンジェルは強制的に昇天させられてしまった。
白膿を大量に放出させられた後、お情けの一啜りでとどめを刺され彼は仲間達の元へと旅発たされた。
その顔は不細工を補って余りあるほどの幸福そうな顏であったが、幸福そうであればある程哀れを誘うのであった。
 快感と喜びに溢れた顔で白眼を剥いてる不細工三人を見下ろすように、まぼろしパンティは口元を拭いながらゆっくりと立ち上がった。
その表情には疲労の色が浮かんでいたが、一方で体内からは新たな自信のようなものが生まれ出てくる様子が確かに伝わってくる。
まぼろしパンティは脱がされたパンティを見つけ出し恥らいながら身に着けた後、男達を一まとめにしてガッチリと縛り上げた。
その間も全く眼を開けない男達。快感の深さが推し量られるのであった。

24
 一息ついた後、まぼろしパンティはつとむの方を向いた。それまで意識して目を合わさないようにしていたかのようだった。
ずっとまぼろしパンティを目で追っていたつとむと必然のように眼が合った。
 ゆっくりとまぼろしパンティがつとむに向けて歩き出す。つとむのペニスは硬く猛り天を指したままだった。
まぼろしパンティがブサイク・エンジェルズに口唇奉仕をさせられていた時も、その後奴等を縛り上げている時も、その揺れる肢体を目にするだけで彼の陰茎は抑えきれなくなる程に張り詰めていった。
そのまぼろしパンティが今彼の方に向かって歩いてくる、美しく膨らんだ乳房を揺らしながら。
どんなに我慢しようとしても、彼自身の先端からいけない汁が滲み出してくるのを止められなかった。
「……柳生君」
まぼろしパンティはつとむの目の前で足を止めると優しく語りかけた。
「は、はい」
「ごめんなさい、貴方を助けに来たのに貴方を恥ずかしい目に遭わせてしまって」
「いや、そ、そんな」
そんな事は全く考えておらず口篭もってしまうつとむ。
「それに、私の恥ずかしい姿までみせちゃって……」
そう言って顏を赤らめるまぼろしパンティ。
「そ、それは、あの、その……」
つとむの脳裏に猥らな光景がフラッシュバックし、充血を悪化させた。
「罪滅ぼしさせて」
まぼろしパンティはそう言うとつとむの前にしゃがみこんだ。
「あ、な、何を……、あぅ」
まぼろしパンティがつとむの怒脹したペニスに触れ、つとむは快感の余り声を漏らしてしまう。
「こんなになって、辛かったでしょう」

25
「だ、駄目です、まぼろしパンティ」
「ごめんね、あいつらの後で」
まぼろしパンティの麗しき口唇の中につとむの逞しいペニスが吸い込まれていった。
「あぁ、あああぁ」
つとむの口から悲鳴のような快感を告げる叫びがあがる。
まぼろしパンティは三人の不細工に行ったように無慈悲にではなく、慈悲深くつとむ自身を包み込んだ。
それでも軟らかく滑らかな舌使いがあっという間につとむをギリギリの所に追い込んでしまう。
「ああぁぁん、駄目、駄目だよ」
つとむが甘く切ない声でまぼろしパンティに訴える。まぼろしパンティは口を離し上目遣いで囁いた。
「いいのよ柳生君、一杯出して」
再び咥えられ、舐め擦られて、つとむはあっさりと耐え切れなくなってしまった。
それでもエンジェルズの様に無様な姿を晒さないで済んでいるのはまぼろしパンティが調節してくれているからに違いない。
「あ、あぁ、あああぁぁぁ」
ボーイソプラノのような美しく通る悲鳴を上げ、つとむは熱い思いをまぼろしパンティの口の中に解き放った。
それは勢い良くまぼろしパンティの口内に溢れ返る。
そしてそれを残らずまぼろしパンティは嚥下していった。
全てを飲み込んだ後まぼろしパンティはつとむのペニスを綺麗に掃除し啜り上げ、つとむを見上げこう言った。
「美味しい」
あまりの快楽の為失われていく意識の中でその言葉と笑顔がつとむの脳に焼き付いた。

26
 翌朝、つとむはブサイク・エンジェルズに攫われた時と同じ格好で目を覚ました。
着衣に乱れは無く、まるで何事もなかったかのようだった。
ブサイク・エンジェルズに拉致された事は鮮明に覚えていたが、意識を失ってから今朝目覚めるまでの空白の時間が彼の記憶を不安定なものにさせていた。
そう全てが夢だったかのように。
 それでも下半身に残る信じられないような快感の記憶、それがリアルに彼の脳髄を刺激し、あれは夢ではなかったとつとむに伝えるのだった。
まぼろしパンティの開かれた秘密の花園、出来ればつとむももっと近くで、もっとじっくり見てみたかった。
しかしそれ以上にまぼろしパンティの口唇愛撫は彼を骨抜きにしてしまった。
あの快感、もう一度味わうことは出来るのだろうか。
つとむは昨夜の夢のような出来事を反芻し、耐え切れず何度も繰り返し自慰行為に耽ってしまうのだった。
 その日、つとむは彼には珍しく遅刻した。
彼が自慰に励んでいた為に遅刻したとは流石の寿々美にも思い至らなかったであろう。
 嗚呼、柳生つとむの行く末やいかに。  
<了>

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