まぼろしパンティ・「漫研部の罠 編」/ななしィ・著



1
 犯罪渦巻くクライム学園に今夜も正義の裁きが下る。
「無駄な抵抗はもうやめて!」
深夜の森に犯人を追い詰めた美少女探偵まぼろしパンティ!
「ちくしょう!せっかく受験ライバルを殺せる所だったのに!お前みたいな露出狂女に捕まるなんて!」
最後の悪態をつく犯人。
(…露出狂……)
なぜか反論もしないまぼろし。逆に青白い顔をした犯人ににじり寄り、豊満なバストを見せつける様に胸を張る。

「う…、な、なんだよ、まぼろしパンティ」
美しく、男心をそそる裸体が犯人に近寄る。

(ねぇ…私の裸、奇麗?ウフフ…赤くなっちゃてカワイイ…)
いかにも弱そうで純情そうな犯人にイタズラっぽく心の中で語るまぼろし。
(もっと見てもいいのよ…寿々美のおっぱい…)

 けたたましいサイレンが響く。学園警察のパトカーだ。
「あ、来たわね。では私はこれで…」
警官達が近づいて来たのを確認して去ろうとするまぼろし。いつものパターンだった。だが、今回はふと足を止め、警官が眼前に来るのを待った。

 ドックン…ドックン…何故か異常に、心臓が、高鳴る。警官は5人だ。それぞれの手に持つライトが犯人を、まぼろしの姿を照らし出す。

(ハァァ…ン……)

「オ〜ッ!いつも助かります、まぼろしパンティ!」
「早期解決はあなたのおかげです、まぼろしパンティ!」
「さすがです!まぼろしパンティ!」
まぼろしを囲み、口々に礼を言う警官たち。
「いえ、正義の探偵として当たり前の事をしただけです!」
笑いあう一同。

 だが警官達の視線は如実にまぼろしのスタイルを舐める。ある者は突出した剥き出しのバストを…。ある者はくびれたウエストのラインを…。ある者はTバックパンティを食い込ませた美尻を…。
 そしてこんもりと盛り上がった恥丘のクレパスに連なる乙女の秘部を…、ギラギラとした目で視姦する。

(ああ…見られてる…たくさんの目で見られてる…)
頬が紅く染まり…胸が高鳴る…。
(恥ずかしい…でも…気持ちいい…視線が気持ちいいの…)
躯がプルプルと震える..。美しい少女の唇が切ない吐息を漏らす…。

「どうしました、まぼろしパンティ?」
警官の声にハッとするまぼろし。
「体の具合でも悪いのでは?汗びっしょりですよ」
心配する警官達を前に動揺する…、まぼろしパンティ。
「い、いえ、大丈夫です!では、また!」

走り去るまぼろしパンティ。
(ああ…私やっぱり…変態露出狂なの…?)

 躯を震わせる露出の衝動。自分の中にいる変態。
 寿々美は「正義の探偵まぼろしパンティ」とはまた別の「もう一人の自分」を押え切れなくなっていたのだった。


 女子寮の自室へと帰りついたまぼろし。
「はぁ…わりと簡単な事件だったわね。」
グローブとブーツ、マフラーを外し、シャワールームへ向かう。
 そして脱衣所で「二つのパンティ」を脱ごうとした時、ふと鏡に映る自分を見て思う。

「露出狂…だよね…こんな格好で活躍してるんだもの…」

 腰のパンティに指をかけ引き下ろす。ねっとりとした愛液がワレメと股当て布の間で糸を引く。
「しかもこんなに濡らして…いやらしい…」

 湿ったパンティを洗濯機に投げ込む。
「ああ…けっこう仮面…あなたは正義のために恥を捨て、裸で立派に戦いぬいた…アソコも隠さずに…」

 うっすらと陰毛の生えた恥丘に、そっと指を這わしてみる。

(ハァ…ハァァ…顔さえ隠せば…ココを隠さなくても…ああ…でも…でも…私には…アア…)

バストを晒して活動する事には少しは慣れてきた。
 しかし、バストを晒しただけでも今日の様に「変な気持ち」になってしまう。

「露出狂…正義のため…変態…けっこう仮面のように…ああ…」

エスカレートする露出の衝動。それを抑えようとする羞恥心。
躯を疼かせる他人の視線。
もっと見て欲しい。でも恥ずかしい。

激しく葛藤するまぼろしパンティの心。
いつしかまぼろしの指は、恥丘から敏感なワレメへと移動していた。

(ハァン!…アアアアッ!アアアンン!!ンン!…アア….)
答えの無いまま、その快楽に逃げてしまう寿々美だった。


 寿々美がまぼろしパンティとしての露出癖に悩んでいたそんなある日の放課後。

「藤さ〜ん、ちょっとお願いがあるの」
生徒会の会計担当の智子だった。
「文化系の部費、計算間違っててさ〜アハハ!ちょっと漫研行って200円渡して来て〜ゴメン!」
智子は寿々美に200円を託すと走りだした。
「次は茶道部に〜美術部に〜〜え〜っと…」

「うふふ…智子もドジね〜」
あっけにとられながらも友人の頼みを承諾する寿々美。
「漫研ってドコだったかしら?」
歩きながら考える、…漫研…漫研…
「あ、そうだ。旧校舎の3階だわ。」
寿々美は小走りで学園の端にある旧校舎へと向かった。

 放課後の旧校舎。この校舎はもうすぐ取り壊される予定で漫画研究部、通称「漫研部」以外には使用していない校舎だった。
「なにか気味が悪いわね…」
シーンと静まりかえる校舎の階段を上がり3階の「漫画研究部」と書かれたドアをノックする寿々美。
「すいませ〜ん部員の方、いますか〜?」

 返事が無い。ノブを回すとドアが開いた。
「あの〜部費の事で伺ったのですが…」

誰も居なかった。
派手に散らかった汚い部室。床に落ちたインクあと。散乱するゴミ。
「うぷ…なんか凄い匂い」
おそるおそる部室に入る寿々美。
(智子め〜なんてトコに来させるのよ〜)
友人を恨みつつポケットから部費を取りだし、これまた散らかった机の上の鉛筆を取り、メモ用紙に一筆書く。
(計算間違いの部費2百円です。収めて下さい。 会計部)

「これでよし、っと」
メモの横に部費を置き、部室を出ようとした寿々美。
ふと、机の上の描きかけの漫画に目が止まる。

「…!!…こ、これは…」

その漫画には、なんと「まぼろしパンティ」が描かれていた。
頭にマスクパンティを被ったその姿はまさにまぼろしそのものだった。

「ふ、ふ〜ん…うまいわね〜」
絵の上手さに感心する…寿々美。

(あ、あれ?でもこのまぼろしパンティ…下着つけてないわ…)

[まぼろしパンティ見参!]
颯爽と現れる漫画の中のまぼろしはパンティを履いていなかった。
ワレメを晒け出したその姿に動揺する、寿々美。


漫画の中の「自分」に読み耽ける寿々美。

「漫画の中」のまぼろしパンティはノーパンで悪党たちの前に現れた。
[おお〜っ!おマムコ丸出しっ!]
[君、頭大丈夫?マムコ丸見えだぜ!?]
[く〜っ!マジで丸出しじゃん!]
興奮する悪党に「丸出し」を指摘され、頬を紅く染めるまぼろし。
次のページを見る。
[おマムコ丸出し変態女!おマムコ丸出し変態女!!]
悪党に煽られつつも、決意するまぼろし。
[こ、こんな事でひるんじゃだめよ!]

そこまでで漫画は途絶えていた。目を見開いて読む寿々美。
そして読みながらいつしか興奮し..机の角に股間をこすりつけていた。

(アア…あそこ丸出し…変態女…ああん…)

まるで自分が本当に「丸出し」で登場したような気分だった。
ウットリと漫画を見ながら一心不乱に股間を机に押しつける寿々美。

5
(もしも私が…まぼろしパンティが…ノーパンで登場したら…ああ…こんな事言われるのかな…、ああん…)

何度も何度も少ないページを読み返す。
ここが漫研部の部室だという事も忘れ、興奮した体を揺らす寿々美。
遂にはスカートをまくり上げてパンティの股間を机のカドに擦り当て始める。

(アアッ!いいっ…アッ!…ああ〜っ!…)

まるで発情期の犬の様に腰がクネクネとくねる。乙女の秘部から染み出した雫は下着から溢れ、太股に滴る。

(アッ!アッ!い、いくっ!イクっ!!アアアアッ!!)

体をヒクヒクと痙攣させ….絶頂する寿々美…。上気した頬はピンク色から紅色へと染まった…。


(ハァ…ハァ…ァン…)
机に股間を当てたまま、絶頂の余韻に耽ける寿々美。

パチ!パチ!パチ!パチ! 突如、静寂を破る「拍手」。
「ギクッ!」寿々美の顔がサーッと青くなる。

「いや〜!イイモノ見さしてもらったモン!」
「しかもこんなにカワイコちゃんだすヨ!」

寿々美の正面にある汚いロッカーが開き、現れた男二人。
クライム学園 漫研部 部長の七心七志。そして副部長の菅友太郎である。

「そんなに僕の漫画で興奮したですか〜?!ウシシシシ!!」
「あ!こいつ、やっぱ藤寿々美ちゃんだス!知ってるだス!この前の学園美少女コンテストで優勝してた娘だすヨ!イヒヒッ!」

(ああ…イヤ〜ッ…)
思わず両手で顔を覆う寿々美。恥ずかしかった。顔から火が出るほど恥ずかしかった。

「そんな学園のマドンナちゃんが〜イヒヒ〜僕らの描いたエロマンガに興奮してマンズリしちゃうなんてネェ〜!うひひひ〜コリャ、恥ずかしいだすヨ〜!」

「学園NO.1の美少女、藤寿々美ちゃん、放課後の漫研部でオナニーに耽ける!!な〜んて!新聞部も喜んでくれるモン!」
ニヤニヤと寿々美を取り囲む部員。

「き、脅迫する気なの?パパに、学園警察の藤警部に知らせるわよ!」

うわずった声でなんとか反撃に出る寿々美だったが…。


「脅迫なんてしないだすヨ!人聞きの悪い!」
「僕達は今見た事実をありのまま言っただけだモン!」

確かにその通りだった。
[藤寿々美は漫研部でエロマンガに興奮し自慰をした。]
その事実は変えられない。

「お…お願いします…誰にも言わないで…」
蚊の鳴くような声で言う、寿々美。

「フン!イヤだモン!自分のマンズリを棚に上げて、人を脅迫者にしようとするヤツは、罰を受けるがいいモン!」

「そうだす!学園のみんなに笑われて罵られて、一生、オナニー女として生きるがいいだす!ヒヒヒ!」

「よ〜し、早速言いふらしに行くモン!行こう、菅友!」
部室を出ようとする二人。

「ま、待って!」
寿々美の声に足を止める。
「さ、さっきは気が動転してしまって…脅迫だなんて言ってごめんなさい…、アア…な、なんでもしますから…どうか内緒にしてください…お願いします!…」

 学園屈指の美少女が、学園のゴミ部活の二人に屈伏したのだ。
「ウヒヒ…なんでもするの〜?ウヒヒヒヒヒヒヒ」
「しかたないだすなァ〜!アヒヒヒヒヒヒ」
顔を極限までニヤつかせ、戻ってくる二人。

(ああ…私…どうなるの…)
藤寿々美、一生の不覚だった。


 寿々美は乙女として死んでも見られたくない行為を漫研部の二人組の前で晒してしまった。

男二人が無言のままニヤニヤとした顔で、寿々美の周りを回る。

沈黙を破り寿々美が口を開いた。

「あ…あの…私どうすればいいんですか…?…」
なんでもします、と言ってしまった事に不安を隠せない。

「そうだすな〜、、、まずはこの漫研部に入部して欲しいだす」
ニヤリと笑う副部長。無言でうなずく部長。

「そんな…私、テニスとか新体操とか掛け持ちなんです…これ以上は…」

「なんでもする、、、って言ったモン!ね、オナっこ寿々美ちゃん!ウヒヒヒヒィ」

拒絶を許さない言葉に観念する寿々美。
「ああ…わかりました…入部します…」
悔しそうに答える寿々美。

「うひょ〜やったモン!ついに後輩が入部したモン!」
「それでは早速…、イヒヒヒヒヒヒヒッ…」

(ア〜ッ、何をさせられるの?パパ、助けて…)
緊張する寿々美。

「ベタ塗りをしてもらおうかな」

キョトン。
「な、なんですか?ベ、ベタ塗りって?」
訳の解らない言葉に困惑する寿々美。

「か〜っ!ベタ塗りも知らんのだすか?漫画の黒くなるとこを黒く塗る作業だすよ!」
「え〜い!トロい新人だモン!早く机に座ってベタ塗りを始めるモン!」

「は、はいっ」
部長に怒鳴られ、慌てて机に向かう寿々美。

(何なのよ…この二人は?)
恥ずかしい自慰を見られたのに…、秘密を握られたのに…、なんでもしますと言わされたのに…、命令は「漫画の手伝い」。
 肩透かしを食ったような、ホッとしたような、なんとも複雑な気持ちの寿々美だった……。


 漫研部に入部させられた寿々美。二人の先輩に命令され漫画製作のアシスタントをする羽目になったのだが…。

 その漫画のタイトルは「まるだしパンティ」。先ほど寿々美が思わず興奮してしまった物だった。もちろんモデルは、まぼろしパンティだ。

(ああ…また興奮しちゃう…)
ベタ塗りをしながら、またも自分の…いや、まぼろしパンティの漫画に見入ってしまう寿々美。

「あの…先輩、これって最近学園に現れた正義の探偵、まぼろしパンティですよね?」

 ドアの所で何やらヒソヒソ話をしてた先輩二人が答える。
「そうだモン!なぜか裸で活躍してるらしいモン!」
どうやら二人はまだ「本物のまぼろし」を見たことが無い様子だ。

「あの…何でこの漫画のまぼろしパンティは…下着をつけてないのですか…?」

「俺達、あいつはきっと変態露出狂だと睨んでるだすよ〜」
「そうそう。顔を隠せばどんな恥ずかしい事でも平気な女だモン!」
「みんなは正義の為に裸で頑張ってるなんて誉め讃えてるけどそんなの建前だすよ。ただ裸を見られたいだけの変態だす!」

 動揺する寿々美。
「そんな!まぼろしパンティはそんな恥知らずな人じゃないわ!!この学園の為に、正義の為に、裸で戦ってるのよ!!」

「正義の為になんで裸になる必要があるんだすかぁ?」
「普通は逆に装備したりするモン!裸になる必然性が無いモン!」

 言い返せない寿々美。
(ああ…けっこう仮面…私なんて言えばいいの…)

「ふ〜ん、寿々美ちゃん、やけにまぼろしの味方するだすな〜」
「ウヒヒヒヒヒヒ…、ひょっとして〜〜〜〜もしかして〜〜〜」

二人が寿々美に迫る。

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「野球部の馬鹿菜君の話では…、まぼろしはかなりの美少女だったらしいモン?髪も君みたいに凄く長かったし年格好は学園の女生徒みたいだったとも…」
「それに父親が警察署長なら事件の情報も入りやすいだすなぁ…」

まぼろしパンティをかばった発言が逆に寿々美を不利にしたのか。
焦る寿々美。

「わ…私はまぼろしパンティとは無関係よ!それに彼女を認めてる人は他にも沢山いるわ!!、ああ…それ以上近寄らないで!」

せまる二人。後ずさりする寿々美。

「君がまぼろしパンティなら、僕らの描いた漫画に読み耽けった理由も筋が通るしね〜イヒヒヒ」
「そうだよね〜自分が登場する漫画は興味あるよねェ〜ウシシシ〜」

「ち、ち、違います!私まぼろしパンティなんかじゃありません!!」

「ふふ〜ん、じゃあ君はその漫画のどこに興奮してオナっちゃったのか教えて欲しいモン?」
「凄く熱心に読み返してただすもんなぁ〜グフフフフ」

「アア…そんな事恥ずかしくて言えません…」

それを言えば二人の自分への「まぼろし容疑」はさらに深まるだろう。
優等生マドンナ、藤寿々美としても失墜は明らかだ。
沈黙する寿々美。

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「ウヒヒ〜黙秘だすか?君は僕らには逆らえないハズだすよん!」
「オナニーしてたって言いふらしてもいいの??、さぁ…答えるモン!!」

追い詰められる寿々美。
「ま、漫画のお手伝いなら何でもしますから…そんな恥ずかしい事言わせないで下さい…」

「ほうほう、さすが新入部員だすな〜ウヌヌ…」
二人も寿々美を責めきれずにいた。

彼女の自慰を見たとはいえ、証拠は何もない。
「写真でも撮っていればこの美少女を心おきなく凌辱できる物を!」
二人の顔にも責めあぐむ焦りが現れ始める。

洞察力に優れる寿々美は二人のその表情の変化を見逃さなかった。
(この二人…余裕がある振りしてるけど凄く小心者?私を脅迫しきれないでいるわ…)

重苦しい雰囲気が部室に漂う。

「ウ、ウヒヒヒ、ちょっと部長会議をしてくるモン!君はそこでベタ塗りを続けてほしいモン!」
「逃げたら、オナってた事言いふらしに行くだすよ!いいだすな、藤寿々美!!」

そういうと二人は部屋を出て行った。

(これはチャンスだわ!)
寿々美は緊急時に備え学生カバンの底を改造していた。
 教科書やノートを全て出し、シークレットボックスを開ける。そこには折り畳まれた真紅のマフラー、ブーツ、グローブがあった。

「よ〜し…今回は他の生徒ではなく、私、藤寿々美を守るため、まぼろしパンティ出動よ!」

だが、先ほどの自慰行為でパンティの股間には外からみても解るほど淫らなシミがついていた…。

12
 その頃、先輩二人は誰もいない廊下の端で作戦を立てていた。
「ん〜うまく責めきれないモンだね〜」
「せっかくあんな美少女が網にかかっただすになぁ〜」

 実はこの二人、漫研部に女性が来るのを知るとわざとエロマンガを机に置き、ロッカーに隠れて訪れた女性の様子を楽しむ、という悪趣味を続けていたのだ。

「しかしあんな美少女がオナっちゃうなんて予想外だったモン。カメラを用意しとくべきだったモン!悔しいモン!」
「いや、とりあえずあのコは漫画の事なら何でもすると言っただす。漫画のデッサンをする事にして少しづつ裸にするだす!それを写真に撮るだすよ!」
「そ、そして、そして、あのコにまぼろしパンティの格好をさせて、タ〜ップリいろんなことするんだモンね!!!」
「ウシシシシシ〜!よ〜し、それが我らの最終目的だす!!では、カメラを取りに行ってくるだす!君は寿々美ちゃんを見張ってるだすよ〜!!」

二人はこれからの計画を決定し、期待に胸を踊らせた。
その時!

「ウフフフ…藤寿々美さんは私が逃がしたわ!」

薄暗い廊下に凛々しい声が響く。

「だ、だ、誰だモン!!」
驚く二人。横の階段の人影に気付く。
「も、も、も、もしかしてっ!ひょっとして!!」

「少女の弱みに付け込む、漫研部の二人!!、乙女の味方、まぼろしパンティが許さないわ!」

階段を飛び降り二人の前に降り立つまぼろしパンティ!

「オオオオ〜ッ!!ほ、本物のまぼろしだモン!!!」
「ヒョエエエ〜!!す、凄いっ!ほんとに裸だすよぉぉ〜!!!」
驚きと興奮で狂乱する二人。

「漫画研究部とは名ばかりのエロマンガ部!!、ロッカーに隠れ乙女を罠にかける非道な行為を私は絶対に許さない!」

「ふ、ふん、興奮しちゃったあのコが悪いんだモン!!」
「そうだす!他の女の子はエロマンガを見てもオナニーまではしなかっただすよ!!、藤寿々美がスケベでオナニー好きだっただけだす!!」

「うっ…それは…」
動揺する寿々美…、いや、まぼろしパンティ。

(ああ…なんて事を..でも負けちゃダメよ!)

13
「確かに彼女の行為は迂濶だったわ!でも反省もしてる。一時の過ちだったのよ!同じ女としてお願いするわ。どうか黙って忘れてあげて!」

まぼろしの説得に憮然とする二人。
「でもなぁ〜あんなシーンを見せられて何にもしないのも男として辛いモンね〜」
「悪いのはオナったあのコだしなぁ〜」
納得のいかない顔でブツブツ話す二人。

「どうしてもダメかしら?ふぅ…ちょっとこれを見て。」
まぼろしはそう言うとブーツの裾から超小型のテレコを取り出した。
キョトンとする二人。

「ちゃんと録音してるかな〜?えい、再生」
テレコの再生ボタンを押すまぼろし。

[せっかくあんな美少女が網にかかっただすになぁ〜]
[漫画のデッサンをする事にして少しづつ裸にするだす」
[それを写真に撮るだすよ〜]
[タップリいろんな事するんだモンね〜ウシシシシ〜]

カチッ。テープを止めるまぼろし。
「どう?あなた達の密談を録音してたの。」

目を丸くして驚き、言葉も出ない二人。

「これは明らかに脅迫未遂!あなた達も罪は免れないわよ!」
テレコを構え二人を見据えるまぼろし。

「ぐううっ、まさか僕達が「証拠」に泣くなんて〜」
「くそっ!!せっかく楽しい日々が送れるはずだったのに〜」
ガックリと膝を付き悔やむ二人。

「私も鬼じゃないわ。彼女の事を忘れ、悪趣味な悪戯を止めると約束するなら、この録音は警察には届けないつもりよ!」
それは寿々美の「自慰行為」の警察への発覚を抑える意味もあった。

「わ、わかっただす、まぼろしパンティ…、僕達の負けだすよ」
「優しいんだモン、まぼろしパンティ…、ただの露出狂かと思ってたけど、ちゃんと僕達の事も考えてくれてるモン」
「ほんとだす。優しくて正義感があって、そして美しいだす…」

二人の態度の変化に少し戸惑うまぼろし。
「い、いえ、今回の事は彼女も軽率だったしね。あなた達が100%悪いとは言い切れないからよ。私こそ「彼女を許して上げてくれてありがとう」よ。」

「ううっ!優しいモン!まぼろしパンティ!!」
「さすが正義の美少女探偵だす!!うおおお〜ん」
二人は感涙し、まぼろしに走り寄る。

「そ、それ以上近付かないで!」
突然叫ぶ、まぼろし。

「ど、どうしたモン、まぼろしパンティ?」

「い、いえ、な、なんでもないわ…」

「あ、あれ〜っ?まぼろしパンティ、その下着のシミ…、どうしたんですか〜?股の所が濡れてるだすよ〜〜!?」
「あ、ほんとだモン!湿って色が変わってるぅ〜!ウヒヒヒ!あれれ〜?なんでなんで〜??」

恐れていた「下着のシミ」を指摘され、焦るまぼろし。

「アアッ!ち、ち、違うの!こ、これは…あの、その…」

「アヒヒヒ〜、な〜んだ、やっぱり変態露出狂だったんだすか!」
「たった数分僕達に見られただけでこのいやらしい染みは凄いモン!」
「デカイおっぱい見られて興奮しただすかぁ〜〜?、顔を隠してたらどんな格好でも出来るだすなァ〜イヒヒヒ〜」

(ああ〜っ!恥ずかしいっ!!で、でも…ああ…)

羞恥に咽ぶ心とは裏腹に、まぼろしの秘部からは淫らな雫がトクトクと溢れ出る。乳首も更に隆起してピンピンになっていた。

(み…見ちゃイヤァ!…ああ〜っ!正義の探偵なのに!正義の為の裸なのに!ああ…視線が恥ずかしい!…恥ずかしいのが気持ちイイっ!!あ〜〜っ!!)

「ウヒヒ〜興奮してるのか?露出狂のまぼろしパンティ?」
「やっぱり裸を見られてパンティ濡らす変態だモン!」

二人に見られながら身悶える、まぼろしパンティ!

14
 汚れた下着を指摘され羞恥心を煽られるまぼろしパンティ。乙女として、正義の探偵としてのプライドが激しく揺らぐ。

「いつもそんな恥ずかしいシミつけて活躍してるんだすか〜?」
「覆面してたら汚れた下着もヘッチャラだモ〜ン!、ね〜、濡れた下着見られるのも快感なんだよね〜イヒヒヒヒ!!」

「ち、違う…違うわ〜!私そんな女じゃ…アアアッ…」
豊満なバストと股間のシミを隠し、真っ赤になって震えるまぼろし。

「僕達の想像通り、まぼろしは変態露出狂だったモン…。僕達の「漫画」は正しかったモン!」
「ねぇ、まぼろしさん、自分に正直になるだすよ…、見られたいんでしょ?みんなに見られたくて裸で活躍してるんでしょ?だからそんなシミ付けちゃうんでしょ?」

「違う…裸は正義のためよ…こ、この染みは…ああ…」
君達の漫画に興奮して自慰をした時のシミです…、なんて絶対に言えない。

「誰にも言わないダスよ…、まぼろしパンティが変態だなんて。だから、素直になるだす…、たっぷり見てあげるダスから…」

「ハァ…ハァァン…私…もう…だめ…」

優等生美少女の藤寿々美でもなく、正義の探偵まぼろしパンティでもない、「もう一人の自分」が「目を覚ます」。

バストと股間を隠していた手を外して、グッと胸を突き出すまぼろし。
挑発的に腰を振り、二人に近づいていく。

「絶対に秘密よ……私と君達だけの…」

ゴクリ。まぼろしの豹変に息を呑む二人。

両手を頭の後ろで組み、悩ましく体をくねらせる、まぼろし。
(アア…私…なんて事を…)

フンフンと二人の鼻息が鳴る。
まぼろしのエロチックな踊りに言葉も無く、ギラギラと視線を送る。
美しいボディを舐めるように視姦し続ける。

(今は…今だけは素直になりたいの…見て…、私の裸…もっと見て!…ああ〜っ…)

15
これが発情した女の「性」なのか。夕暮れの旧校舎の薄暗い廊下でまぼろしの痴態が踊る。
 漫研部の二人は言葉も無くその場に座り込み、美少女探偵のセクシーダンスに釘付けとなっていた。

くすみ一つ無い桃尻にパンティをくいこませ二人の眼前に腰を突き出す…。
そのままクイクイとお尻をくねらせる…挑発的に…いやらしく…腰を振るまぼろしパンティ……。

(アア〜ッ…たまらない…視線が気持ちいい…ああ…)
上気した躯はピンク色に染まり、体中の毛穴からジットリと汗がにじみ出る…。
僅かな外光に照らされたその裸体はキラキラと光り、まぼろしの美しさを更に演出した….。

(ハァァ!…見られたい…ア、アソコも…見せたい…)

「ね、ねぇ…君達の漫画の中では…私、どんな姿なの…?」
お尻を突き出したまま二人に問う、まぼろし。

ダンスに見入っていた二人。ハッとして答える。
「あ、ああ、僕達はあなたが変態露出狂だと確信してたから…」
「し、下着をつけてない下半身も丸出しの格好で活躍してるだす…」

(ああ…丸出し…そうよ…私は「丸出しの私」に興奮したの…だからオナニーしちゃったの…くふぅぅん…)

「丸出し」を意識したとたん、またツボミからトロリと雫が溢れる。
二人の眼前でパンティの染みは更に広がって美しいワレメを透け晒す。

「す、寿々美さんを許してくれたお礼に…ああ…君達の「漫画の中の私」に…なってあげる…」

「!」
顔を見合わせる二人。
二人に背を向けたまま、ゆっくりと下着に手をかける、まぼろし。

その顔は羞恥と期待と喜びの混ざりあった「マゾ女」そのものだった。

16
乙女の秘部を包み隠していた小さな純白の下着が、自らの手で脱ぎ去られ、床に落ちた。

まぼろしは震えていた。下半身を隠す物はもう何も無い。後ろにいる二人の男共の荒い鼻息が聞こえる。剥き出しの「桃色の尻」に刺すような視線を感じる。

(アア…やっぱり恥ずかしい…で…でも…)

心に秘めた願望。けっこう仮面と同じスタイル。羞恥心と露出の誘惑。見られたい気持ち。

ゆっくりと二人の方に体を向ける、まぼろし。震える手でアソコを隠したまま二人をチラと見る。

「!!!!ヒィッ!!!」

ふたりはズボンのチャックからピンピンの若いイチモツを露見させていた!

「キャァァァァァーーーーーーーーァァッ!!!!」

まだ男を知らぬ乙女にとって「それ」は恐怖の対象でしかなかった。乙女の悲鳴が校舎に響き渡る!

「まぼろしパンティ!僕、もう我慢できないモン!!」
「漫画の中の君は最後、こうなるダスよ〜〜!!ハァハァ!!」

両手で下半身を隠しているため構える事も出来ないまぼろし!、イチモツが直視出来ず顔を上げることもままならないまぼろし!

「ウヒヒヒ!!それ!おマ○コ見せるダスよ!!イヒヒヒヒ〜ッ!」
「変態露出狂の素顔も見せるモ〜〜ン!キヒヒヒヒヒ〜!!」
理性を失った二人が飛びかかる!!

(ああ!!…パパ!…ママ!…助けて!!)

「ゴルァアアア!!お前ら!!何してる!!」

まぼろしの悲鳴を聞き、駆けつけた学園警察だ!!

アッという間に取り押えられる二人。
「貴様ら〜!正義の探偵を婦女暴行するとは許せん!!」

「ち、ちがう、まぼろしが、彼女が挑発を、…」
「そ、そうだす!自分から下着を脱いで、…」

「じゃかましい!!チンチン丸出しで何を言うか〜!」
連行される二人。
振り返りまぼろしを見る。

「!」
テレコをチラと見せるまぼろし。
「ぐぅぅぅっ」
二人は悔しそうに顔を歪め、廊下の彼方に消えた。

「大丈夫でしたか?まぼろしパンティ?」
心配する警官に手を引かれて立ち上がるまぼろし。

「ええ、皆さんのおかげて助かりました…」

(ちょっとあの二人には悪い事しちゃったわね…)

廊下の端を遠い目で見る…、まぼろしパンティ。

「あ、あの〜、まぼろしパンティ?」
警官が声をかける。

「ハッ!ハイ、なんでしょう?」
我に帰る、まぼろし。

「お、おマ○コ丸出しですよ!ウシシシ〜ッ!!」

「アアッ!!は、恥ずかしいィィ〜っ!ああ〜ん!!」

シミ付きパンティを拾い、
脱兎のごとく走り去るまぼろしパンティだった————。

17
 後日、漫研部の家宅捜査が行なわれ、二人の描いたわいせつ漫画が押収された。もちろん「まるだしパンティ」もだ。

 二人は婦女暴行未遂を「和姦」と容疑を否認したが警察は「まるだしパンティ」の内容を見て「強姦」とし彼らを書類送検及び退学処分とした。「藤寿々美脅迫事件」は闇に葬られたまま…終わった。

 深夜。寿々美の自室。鏡の前に立つ、寿々美。ネグリジェを脱ぐ。一糸纏わぬ姿。テープレコーダーを耳にあて、聞く。

[少しずつ裸にするだす!それを写真に撮るだすよ〜!]

(ああ…イヤァァ…写真は許して…アア…)

[まぼろしの格好をさせてタップリ色んなことするんだモンね〜」

(そ、そんな…恥ずかしいわ…丸出しなんて…いやっ…)

[ウシシシ〜!!イヒヒヒヒ〜!!]

(ああ〜っ…イヤッ…イヤッ…そんなトコ触らないで…アハァッ!)

録音した漫研部の二人の声。未遂に終わった企み。それを再生しながら全裸で妄想する…、美しき乙女。

また、もう一人の「自分」が顔を覗かせる……。

美しい月が静かに笑ったように見えた。

第三話、おしま〜い。



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